こころとことば
言語聴覚士 清水幸代のコラム
 003 二語文
Q:「まま、あっと―」と息子がいったように聞こえたのですが、これがいわゆる二語文
 でしょうか?(2歳3ヵ月)
A:「お母さん、ありがとう」という意味の二語文です。こどもが二語文を話し始める時期は
 18〜24ヵ月ごろと考えられています。しかし、お子さんごとに話し出す時期はバラバラ
 ですから、あくまでも『目安』程度に考えて下さい。
 では、子どもはどういう状態になったら二語文を話し始めるのでしょうか?これまでの研究に
 よると「約50語のことばを言えるようになると二語文が出てくる」ことがわかってきました。
 また、言語能力とは別に認知能力の発達も関係しています。14〜18ヶ月ごろになると子ども
 は、より複雑な関係性について思いをめぐらせるまでになり、その考えを誰かと共有し伝えたい
 という欲求にかられます。この時期の二語文を作る能力はブロックの各ピースを使ってお家や車
 や線路を作っていくのと同じように手持ちの単語をフルに駆使して、いろいろな意味の分を作り
 出していくのです。単語を組み合わせて子どもなりに創造性を表現できるようになると会話は
 ぐんと楽しくなってくるでしょう。
 「うちの子はまだ二語文が出てこないわ〜」とあせることはありません。子どもは毎日の生活
 の中でさまざまな行動の意味を自分なりに理解していきます。おいしい・あった・ちょうだい
 バイバイ・ねんね・おいで・行こう・取って・見てなど普段の生活の中で行動とことばをセット
 にして積極的にお母さんが使っていきましょう。
 子どもの脳がより活発にはたらき出す時期です。楽しい思い、うれしい気持ちをしっかりと
 記憶していきます。さあ、お弁当を持ってピクニックなどいかがですかa?
タイトルを変更して☆☆☆ST通信☆☆☆ 10月号を再掲しました
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